【タイ 労働者保護法】解雇・不当解雇

失業、解雇、

 

 「もう来なくていいです・・・」

 

言う側にも言われる側にも立ちたくはありませんね。

 

しかしながら、不当解雇は、労使間トラブルの中でもタイで非常に症例数の多いトラブルです。雇用契約書が無い(あっても漏れがある)、就業規則の確認を怠った、という状態のまま就業を開始してしまうことが背景にあります。また、タイでは労使間トラブルに関して、労働者側からの労働省への訴えが可能となっていることもトラブル多発の理由の一つです。

 

タイ労働者保護法119条では解雇理由を定めており、そこに該当せず、「会社都合で一方的に従業員を解雇する」、それが不当解雇です。

 

また、日系企業やタイ企業に関わらず不当解雇は存在します。日系企業だから安心、日本人上司だから大丈夫などと過信して、雇用契約を結ばず、労働許可証も持たないないまま働いている方がいますが、それで、その後、突然解雇を言い渡されたという方からの相談を受けることがあります。しかし、これでは不当解雇どころか、その前に不法就労です。

 

タイは、日本以上に書面上での契約社会であるということを忘れてはいけません。働いていた証拠が無ければ労働裁判所に訴えることも難しくなります。タイの労働法は、日本同様弱い立場である労働者を守る、という考えにありますので、逆に言えば、雇用契約書などの証拠があれば、必ず法が味方してくれる可能性が高くなります。立証可能な状況を作っておくことは権利を主張したり、労働事件の解決をする上で有利となるのです。ですので、採用が決定したら必ず万が一に備え、署名付の雇用契約書を必ず用意してもらいましょう。

 

 

また、企業側の備えとして、雇用契約を結んだとしても自分に都合のいい解釈をしがちな労働者もいることなどから、漏れのない雇用契約書の作成はトラブル回避のために不可欠です。会社都合で解雇する場合は、解雇保証金を支払うのが通例ですが、離職率の高いタイでは、次の職場探しはさほど難しくはなく、スムーズに解雇に至るケースが比較的多いでしょう。しかし、マネージャークラスの解雇となるとそうはいきません。そういった場合、解雇補償金の請求や職場復職を求めて提訴されることも少なくありません。

 

提訴された場合、従業員が権利を主張できる証拠を持っている場合は、タイでの裁判は労働者側に有利に進すむことも多いので、まずは、会社側は、提訴されない状況をしっかり作っておくことが重要です。

 

また、会社の赤字が続き整理解雇が必要な場合などは、業務や財務の状態を具体的な数値にした上で、会社が置かれている状況を従業員に説明しておいた上で、雇用維持のための努力の具体例を伝え、それを遂行する。これを行った後に、それでも整理解雇の必要性については、改めて十分な説明をすることが大切です。それをしておくことで、万が一、提訴されてしまった場合でも、裁判所で解雇の正当性を訴えることにつながります。労働問題(解雇案件)に関する詳細はこちら

 

 

弊社にはタイの労働問題に関するタイの法律に長けた弁護士がおります。解雇案件や不当解雇によるトラブルの際には、まずは無料法律相談にてお話を伺います。お気軽にご相談にお越し下さい。