「和僑」という言葉を目にしたり耳にすることが多くなりました。アジアを拠点として活躍する日本人企業家が一般化した証拠と言えるでしょう。閉塞した日本社会を飛び出し、海外への進出起業を夢見る日本人。その進出先として人気なのがタイ、バンコクです。夢を夢で終わらせない為に、タイで失敗しないための起業のポイントを挙げてみます。
1.タイに精通する
2.信頼できるパートナーと組む
3.有能な弁護士や起業コンサルタント
1.タイに精通する
「タイに精通する」これは、従業員となるタイ人の考え方や気質を尊重し理解することからタイ社会にまで精通する、ということです。
タイ人はおおらかで細かいことを気にしない傾向があります。それが会社運営にいい方向に向くこともあれば悪い方向に進んでしまうこともありますので、雇用側は管理・監視をしっかり行う必要があります。よく日本人の管理者に多い問題点として、従業員を人前で注意したり怒鳴ったり(タイ人にとっては最大の屈辱です)は避けて、上手に注意や警告をしていく必要があります。管理・監視の際にも気を付けるべき多くの点があることを知っておくことが、タイ人と良好な関係を保つためには大切です。
当事務所でご相談を伺っていくうちに、日本人の皆さん口を揃えておっしゃるのが、゙タイ人は、謝らない ゛というご相談でしょうか。「ごめんなさい」という言葉を聞きたいようです。「タイ人は、悪びれた様子も見せないし、謝らない」と、日本人の皆さんは、謝らないことに対して更にご立腹です。しかし、本当にじっくり相手を観察してみてください。まったく自分が悪いと思っていないわけでもなさそうです。
タイ社会に目を向けると、そこでは日本の常識や日本人がこれは絶対と考えていることが通らないことが多々あります。日本よりも贈収賄が横行しコネがよく効く社会でもあります。純粋な資本主義のもとに純粋な競争がされていないこともあり、その辺りの様々な事情を理解していないと、日本人にとって、タイに来て働くことは大きなストレスの原因になりかねません。
また、納得しかねる場面に出くわしても冷静に対応することも大切です。冷静であることは、タイでは人格者と評価され大切な要素です。仏教の教えでもあり、感情を表に出さないことがタイでは良しとされています。ですので、タイ人は、特に公の場や目上の人の前では、喜びの感情を大っぴらに表現したり、怒りや悲しみなどのネガティブ感情を表に表出しないことが多いのです。
タイ人の葬儀に参列したことはあるでしょうか? まず、日本人が驚くのは、笑っている参列者が多いことかと思います。日本の告別式や葬儀のマナーとしては考えられません。また、プレゼントや土産物を渡した際に、軽く「ありがとう」と言っただけで、喜ぶ素振りを見せないタイ人も多く、その多くの人は、その場で包装紙を空けたりせずにそっと鞄などにしまってしまいます。日本人からしたら相手の喜んだ顔を見たいところですが、がっかりする必要はありません。ちゃんと嬉しいと思っていたりします。
このように、タイ人の考え方や気質、社会事情に至るまで十分に理解して、タイに精通することは、タイで会社を経営していくうえで重要なポイントと言えるでしょう。
2.信頼できる現地パートナー
信頼できる現地パートナーと組むのは、特にタイで成功するためには重要なキーポイントとなります。会社設立時の資本が少なくて済む為、共同出資者探しはさほど困難ではないかもしれません。ですが、簡単に話しに乗ってくる分、突然、出資を打ち切られてしまったり、実は、仕事上まったく当てにならない人物や企業である場合もあります。
また、株主の持ち株数を考えずに共同経営をスタートしてしまうと、経営が上手くいったのを見計らって会社を乗っ取られるリスクも考えられます。このように、会社設立後のトラブルは、本当によく起こるので、現地パートナー選びは慎重に行う必要があります。
3. 有能な弁護士や起業コンサルタント
有能な弁護士やコンサルタントを探すことは、起業の失敗を回避するために最も大切なことです。ビジネスのアイデアがまとまったら、まずはコンサルタントに起業相談することをおすすめします。弁護士に法律相談も併せて行うとよいでしょう。
会社の設立登記の後は、税務登記や会計、社会保険の手続きや労働許可証、ビジネスビザ取得の手続きへと進みますが、「ここまでで半年も時間がかかってしまった」という話もよくあります。経験豊かな専門家に依頼すれば、最速での業務開始が可能となります。無事業務開始に漕ぎ着けた後も、様々なトラブルが待ち受けています。そういった場合のコンサルタントや相談窓口は、タイで経営を行っていくうえでは欠かせないでしょう
タイ在住支援法律事務所では、日本人のタイでの会社設立、新規での起業進出で失敗しないために、様々な角度から綿密なビジネスプランを立て、会社設立登記だけではなく、タイでのビジネス上において重要な事項をチェックしながら支援していく起業・経営コンサルタント、各種手続き、会計、弁護士による法務をトータルサポートします。
また、現実的には、200万バーツの資本金が用意できていない方、パートナーとなるタイ人が居ない方、設立当初の会社登記に必要な住所が用意できない方なども、是非、お気軽にご相談ください。