タイで弁護士依頼「費用対効果」の算出を!

弁護士を依頼する際の「費用対効果」って何?

タイで問題を抱えてしまったり、損害を被ったからと無暗に弁護士に依頼しようというのは適当ではないので、弁護士に委任する際には、法律相談の段階で、弁護士報酬や見積書などを確認して費用対効果を算出する必要があるでしょう。遠慮せずに、どれくらいの弁護士費用や裁判の着手金が必要か、どんどん聞いた方が良いと思いますし、弁護士を依頼して法的解決を図るには、「費用対効果」の問題を避けて通ることはできません。要は、弁護士費用を払ってでも経済的利益が得られ、弁護士を介入させて法的解決に踏み込む意味があるのかどうかです。

 

費用対効果の算出は、簡単な計算ができる人なら、弁護士に依頼する価値があるかないかの算出は一目瞭然でしょう。案件の難易度により最初に支払う弁護士着手金の金額は増減しますが、民事裁判の場合は、訴訟額(請求額)によって着手金の金額が変わります。また、事件解決時に支払う弁護士報酬は、依頼者が得られる経済的利益の額から、おおよそ4%から16%で算出されます。

 

 

例えば…

 

経済的利益とは、相手から200万バーツの慰謝料を請求されていたとします。弁護士に依頼した結果、半分の100万バーツで和解したとします。すると依頼者は、弁護士を介入したことにより、100万バーツのの慰謝料請求が減額できたことになります。この減額できた100万バーツが経済的利益の額になります。

 

民事での返還請求や損害賠償請求などでは、相手との交渉や警告書の発送など、また、警察事案の事件では、警察署での取り調べ立ち合いなど、中には、弁護士費用もそれほど高額にならずに対処できることもありますが、事件内容や状況によっては、訴訟の提訴をして、裁判での対応をすることになります。当然、案件の内容や難易度、請求額によっても弁護士費用は異なりますが、それでも、弁護士費用は決して安いものとは言えないでしょう。

 

しかし、弁護士に相談に来ている時点で、依頼者の抱える問題は、既に、相手との交渉ができなくなっていたり、ご自身での解決が難しくなっていたりすることが多く、民事事件や刑事事件を問わず、各事件には、法律で時効が定められていることをも考慮して、法的措置を取るのか取らないのか、時効が切れてしまう前に決断を迫られることになります。それは、弁護士介入をして法的措置をとるか、または、何もしない (諦める・断念する・泣き寝入りする)かの 2択の選択に迫られることは、言うまでもありません。

 

ここで、実際に、弁護士に法的措置を依頼しようと思う際は、弁護士と相談したうえで、回収金額の見込み額を見越して、弁護士に依頼することにより得られる自らの経済的利益を算出する必要があります。

 

 

初回の法律相談の段階で確認しよう

弁護士も仕事だとは言え、当事務所では、費用対効果が望めないであろうクライアントは、法律相談の段階で、弁護士に依頼しても費用対効果がないことを、はっきりとお伝えするようにしています。では、弁護士を依頼をしても、「費用対効果が得られないであろうケース」とは、どんなケースでしょう。

 

 

~ 費用対効果が得られないであろうケース例 ~

  • 時間を掛けても、弁護士費用と回収金額とに大きな差がない
  • 有力な証拠がまったくない(これからでも、証拠を確保できる場合は除く)
  • 解決見込みがない(相手の情報がまったくなく、法的措置が難しい)

 

 

費用倒れになるケース 

 

有力な証拠があり勝ち目があったとしても、損害総額が1万バーツにも満たない軽微な被害事案で法的解決をしたいと思っても、それ以上の調査料や着手金を弁護士に払ってしまえば何の意味もないでしょう。

 

依頼者にとっては、弁護士費用が安いに越したことはありませんが、だからと言って、弁護士も最善を尽くして法的支援をし、被害者の利益を取り戻すわけですので、それなりの作業量を行って対応するわけですし、それにあわせて諸経費等の実費も掛かることから、必ずしも安ければいいというものでもありません。

 

事務所運営や事件処理をするうえで一定のコスト(労力・時間・経費)はかかるのですから、弁護士費用を下げるにしても限界がありますし、どんなに「なんとか安くやって欲しい」と言われても、今度は、弁護士の方も費用倒れになってしまうので、それは、やっぱり受任が難しいということになってしまうでしょう。それに、安かろう悪かろうでは本末転倒です。

 

 

では、依頼者が赤字になってもいいのか?

 

弁護士費用や裁判費用を考慮したとき、相手からの回収金額が、弁護士費用との費用対効果を算出した時に赤字となる場合は、被害者として憤りはあっても、訴訟の提起を已む無く断念される依頼者も多くいます。しかし、それとは別に、被害者の方の心情によるものも大きいのですが、結果、回収金額が赤字であっても、「絶対に相手を許せない」、「納得いくまで、とことんやりたい」と、訴訟の提起をしたいという依頼者もいます。

 

 

弁護士費用を払ってでも経済的利益が見込める! ゛「法的手段を取ることによって費用対効果が得られるであろうケースの例」を下記に記載します。

 

 

~ 法的手段にて費用対効果が得られるであろうケース例 ~

  • 法的解決に必要な証拠が揃っている
  • 過去の似たような事案で弁護士が解決した経験がある
  • 相手に請求できる見込みがある

 

 

弁護士費用を払ってでも費用対効果は得られる 

 

法律相談にお越しになる方の中には、証拠も十分にあって、相手の情報や事件内容から十分に回収できると見込まれる案件なのですが、弁護士の過去の成功経験や法的方針を提示し、「法的手段を取ることは効果があり、回収見込みが十分にある」ということをいくら告げても、煮え切らずに決断ができないでいる相談者もおり、終いに時効が過ぎてしまい、法的措置がとれずに、実際に、泣き寝入りするしかなくなってしまう相談者もいます。

 

弁護士費用を支払っても、クライアントは、十分に経済的利益を得られる案件で、相談者の被害額が大きい場合は、相談者が、弁護士費用を支払えるかの能力にもよる場合もあるのですが、簡単に断念し諦めてしまう場合、弁護士も「弁護士費用を支払ってでも法的措置を図れば、間違いなく費用対効果が大きいのにな…」と、とても残念な気持ちなることもあます。

 

 

最後に

当事務所では、依頼者に費用対効果がない案件に対しては、法律相談の段階で、「赤字になっても気持ちの収まりどころがないから、とことんやる!」と、よっぽど依頼者の意思が固まっている場合を除き、弁護士が、依頼者に費用対効果が低いことを分かっていて、法的措置を進めることはありません。費用対効果を相談者に提示し考えるのも弁護士の仕事です。

 

また、反対に弁護士費用や証拠確保の調査費用が掛かってでも、十分な証拠を元に相手から回収できる、または、解決が図れる事案であれば、相談者が、このまま何もしなければ、マイナスのままになってしまうので、費用対効果があれば当然、弁護士を入れて法的措置を講じることを勧めます。この「費用対効果」ですが、よく相談したうえで、弁護士に依頼をして結果をプラスに転じる方が賢明でしょう。

 

 

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